集合と位相(内田 伏一)

最終更新: 2017-04-26 09:21

集合と位相(内田 伏一)

1. 集合とは

集合
ある特定の性質をそなえたものの集まり
集合を構成する一つ一つのもの。aaが集合AAの元であることをaAa \in Aと書き、aaAAに含まれるという。
(集合が)等しい
2つの集合AABBが全く同じ構成要素からなること。A=BA=Bと書く。
空集合
元を一つも持たない集合。\emptysetと書く。
有限集合
元を有限個しか含まない集合
無限集合
そうではない集合
部分集合
AAのどの元もBBに含まれるとき、AABBの部分集合であるといい、ABA \subset Bと書く。
包む
ABA \subset Bのとき、AABBに包まれる、BBAAを包むという。
真部分集合
ABA \subset BかつABA \neq BであるときAABBの真部分集合であるという。
巾(べき)集合
集合AAの部分集合の全体。P(A)\mathfrak{P}(A)で表す。(ちなみにこのBっぽい文字は\mathfrak{P}
集合族
どの元も集合であるような集合
開区間
(a,b)={xRa<x<b}(a, b) = \{x \in \mathbb{R} \mid a < x < b\}
閉区間
[a,b]={xRaxb}[a, b] = \{x \in \mathbb{R} \mid a \leq x \leq b\}
左半閉区間
(a,b]={xRa<xb}(a, b] = \{x \in \mathbb{R} \mid a < x \leq b\}
右半閉区間
[a,b)={xRax<b}[a, b) = \{x \in \mathbb{R} \mid a \leq x < b\}

2. 集合の演算

和集合
AAの元とBBの元を全部集めてできた集合。ABA \cup Bと書く。AB={xxAxB}A \cup B= \{x \mid x \in A \lor x \in B \}
共通部分
AABBに共通して含まれる元の集合。ABA \cap Bと書く。AB={xxAxB}A \cap B= \{x \mid x \in A \land x \in B \}
差集合
AAに含まれてBBに共通して含まれない元の集合をAABBの差集合という。ABA - Bと書く。AB={xxAxB}A - B= \{x \mid x \in A \land x \notin B \}
交わる
ABA \cap Bが空集合でないときAABBは交わるという。
交わらない
ABA \cap Bが空集合のときAABBは交わらないという。
直和・非交和集合
AABBが交わらないときのABA \cup B

Thm 2.1

Thm 2.2

  1. ACA \subset CかつBCB \subset CならばABCA \cup B \subset C
  2. DAD \subset AかつDBD \subset BならばDABD \subset A \cap B

Thm 2.3 (結合法則)

  1. (AB)C=A(BC)(A \cup B) \cup C = A \cup (B \cup C)
  2. (AB)C=A(BC)(A \cap B) \cap C = A \cap (B \cap C)

Thm 2.4 (分配法則)

  1. A(BC)=(AB)(AC)A \cup (B \cap C) = (A \cup B) \cap (A \cup C)
  2. A(BC)=(AB)(AC)A \cap (B \cup C) = (A \cap B) \cup (A \cap C)

両向きの包含関係を示せばよい。

3. ド・モルガンの法則

Thm. 3.1

  1. X(AB)=(XA)(XB)X - (A \cup B) = (X-A) \cap (X-B)
  2. X(AB)=(XA)(XB)X - (A \cap B) = (X-A) \cup (X-B)
補集合
基礎となる集合XXを固定して考えるとき、XAX-AAAの補集合といい、AcA^{c}と書く。
ド・モルガンの法則
Thm. 3.1を補集合を用いて以下のように書き換えたもの
対称差
AB=(AB)(BA)A \circ B = (A-B) \cup (B-A)を対称差という。

4. 直積集合

順序対
2つのものa,ba, bから作られた対(a,b)(a, b)aabbから作られた順序対という。(a,b)=(a,b)a=ab=b(a, b) = (a', b') \Leftrightarrow a=a' \land b=b'
直積
集合A,BA, Bの元a,ba, bから作られる順序対全体から成る集合をAABBの直積といい、A×BA \times Bと書く。

5. 写像

写像(関数)
AAのどんな元に対してもBBの元を一つずつ対応させる規則が与えられたとき、その規則をAAからBBへの関数または写像という。ffAAからBBへの写像であることをf:ABf\colon A \to Bで表す
始域(定義域)
f:ABf\colon A \to BAA
終域(値域)
f:ABf \colon A \to BBB
f:ABf \colon A \to BによってaAa \in AbBb \in Bが対応するときbbffについてのaaの像といいb=f(a)b = f(a)で表す。
原像
上のaaffによるbbの原像という。
等しい(写像)
AAからBBへの2つの写像f,gf, gAAのどんな元aaについてもf(a)=g(a)f(a) = g(a)となるとき写像として等しいといい、f=gf = gと表す。
合成写像
f:ABf \colon A \to B, g:BCg \colon B \to Cを写像とすると、aAa \in Ag(f(a))g(f(a))を対応させる規則はAAからCCへの写像。これをffggの合成写像といい、gfg \circ fで表す。

Thm 5.1(結合法則)

写像f:XYf\colon X \to Y, g:YZg \colon Y \to Z, h:ZWh \colon Z \to Wの合成について等式

h(gf)=(hg)fh \circ (g \circ f) = (h \circ g) \circ f

が成り立つ。

AAの部分集合A1A_1に対してBBの部分集合{f(a)aA1}\{f(a) \mid a \in A_1\}ffによるA1A_1の像といい、f(A1)f(A_1)で表す。
逆像・原像
BBの部分集合B1B_1に対してAAの部分集合{aAf(a)B1}\{a \in A \mid f(a) \in B_1\}ffによるB1B_1の逆像または原像といいf1(B1)f^{-1}(B_1)で表す。

定理5.2

f:ABf \colon A \to Bを写像とする。AAの部分集合A1A_1, A2A_2およびBBの部分集合B1B_1, B2B_2に対して次式が成り立つ。

  1. f(A1A2)=f(A1)f(A2)f(A_1 \cup A_2) = f(A_1) \cup f(A_2)
  2. f(A1A2)f(A1)f(A2)f(A_1 \cap A_2) \subset f(A_1) \cap f(A_2)
  3. f1(B1B2)=f1(B1)f1(B2)f^{-1}(B_1 \cup B_2) = f^{-1}(B_1) \cup f^{-1}(B_2)
  4. f1(B1B2)=f1(B1)f1(B2)f^{-1}(B_1 \cap B_2) = f^{-1}(B_1) \cap f^{-1}(B_2)
  5. A1f1(f(A1))A_1 \subset f^{-1}(f(A_1))
  6. f(f1(B1))B1f(f^{-1}(B_1)) \subset B_1
  7. f(A1)f(A2)f(A1A2)f(A_1) - f(A_2) \subset f(A_1 - A_2)
  8. f1(B1)f1(B2)=f1(B1B2)f^{-1}(B_1) - f^{-1}(B_2) = f^{-1}(B_1 - B_2)
集合系
空でない集合Λ\Lambdaからある集合族への写像AAのことをΛ\Lambdaの上の集合系といい(AλλΛ)(A_{\lambda} \mid \lambda \in \Lambda)または(Aλ)λΛ(A_{\lambda})_{\lambda \in \Lambda}で表す。これはλ\lambdaAAによる像がAλA_{\lambda}という集合であることを表す。Λ\Lambda添え字の集合という。
和集合
集合系(AλλΛ)(A_{\lambda} \mid \lambda \in \Lambda)が与えられたとき、この集合系の少なくとも一つのAλA_\lambdaの元になるようなものの全体からなる集合を和集合といいλΛAλ\bigcup_{\lambda \in \Lambda}A_\lambdaまたは(AλλΛ)\bigcup(A_\lambda \mid \lambda \in \Lambda)で表す。
共通部分
この集合系の全てのAλA_\lambdaに共通して含まれる元の全体からなる集合を共通部分といいλΛAλ\bigcap_{\lambda \in \Lambda}A_\lambdaまたは(AλλΛ)\bigcap(A_\lambda \mid \lambda \in \Lambda)で表す。
部分集合系
集合系(AλλΛ)(A_{\lambda} \mid \lambda \in \Lambda)の各集合AλA_\lambdaが基礎となる集合XXの部分集合であるとき(AλλΛ)(A_{\lambda} \mid \lambda \in \Lambda)を集合XXの部分集合系という。
上極限集合
NNを添え字の集合とする集合系(EnnN)(E_n \mid n \in N)に対して

limsupnEn=k=1n=kEn\limsup\limits_{n \to \infty} E_n = \bigcap_{k=1}^{\infty} \bigcup_{n=k}^{\infty} E_n

を上極限集合という。上極限集合は無限個のEnE_nに属す元全体の集合である。

下極限集合
NNを添え字の集合とする集合系(EnnN)(E_n \mid n \in N)に対して

liminfnEn=k=1n=kEn\liminf\limits_{n \to \infty} E_n = \bigcup_{k=1}^{\infty} \bigcap_{n=k}^{\infty} E_n

を下極限集合という。下極限集合は有限個のEjE_jを除いて、それ以外の全てのEnE_nに属す元全体の集合である。

極限集合
集合系(EnnN)(E_n \mid n \in N)に対して上極限集合と下極限集合が一致するとき、これを極限集合といい、

limnEn=limsupnEn=liminfnEn\lim_{n \to \infty} E_n = \limsup\limits_{n \to \infty} E_n= \liminf\limits_{n \to \infty} E_n

で表す。

limnEn=N=1En\lim_{n \to \infty} E_n = \bigcup_{N=1}^{\infty} E_n

limnEn=N=1En\lim_{n \to \infty} E_n = \bigcap_{N=1}^{\infty} E_n

limn(AnBn)=limnAnlimnBn\lim_{n \to \infty} (A_n \cup B_n) = \lim_{n \to \infty} A_n \cup \lim_{n \to \infty} B_n

limn(AnBn)=limnAnlimnBn\lim_{n \to \infty} (A_n \cap B_n) = \lim_{n \to \infty} A_n \cap \lim_{n \to \infty} B_n

6. 全射・単射

全射
写像f:ABf \colon A \to BについてBBのどんな元bbに対してもb=f(a)b=f(a)となるAAの元aaが常に存在するときffは全射であるという。
単射
Aの元a1a_1, a2a_2についてa1a2a_1 \neq a_2ならば常にf(a1)f(a2)f(a_1) \neq f(a_2)であるときffは単射であるという。
全単射
全射かつ単射な写像を全単射という。
包含写像
集合AABBの部分集合であるとき、AAの各元aaに対してi(a)=ai(a) = aとなる写像i:ABi \colon A \to Bを包含写像という。
恒等写像
A=BA=Bとなる包含写像。
逆写像
写像f:ABf \colon A \to Bが全単射のとき、bBb \in Bにたいしてb=f(a)b=f(a)を満たす元aAa \in Aは一つに定まるので写像が定まる。これをffの逆写像といい、f1:BAf^{-1} \colon B \to Aで表す。

Thm. 6.1

f:ABf \colon A \to B, g:ABg \colon A \to Bを写像とする。
fg=1Bf \circ g = 1_Bならばffは全射でggは単射。
さらにgf=1Ag \circ f = 1_Aならばff, ggはともに全単射であり、一方は他方の逆写像である。

7. 濃度の大小

濃度が等しい
集合AAからBBへの全単射が存在するときAABBは濃度が等しいといい、ABA \sim Bで表す。\simは同値関係。
特性関係
AAの部分集合BBに対して以下の写像χB\chi_BBBの特性関数という。

χB(x)={1,(xB)0,(xAB)\chi_B(x) = \begin{cases} 1,\quad (x \in B) \\ 0,\quad (x \in A-B) \end{cases}

加算集合
自然数全体の集合N\mathbb{N}と濃度が等しい集合を加算集合という。
高々加算集合
有限集合と加算集合をまとめて高々加算集合という。

a(n)=0.an1an2an3a(n) = 0.a_{n1}a_{n2}a_{n3}\cdots

と表す(有限小数も無限小数で表せることに注意)

a(1)=0.a11a12a13a(2)=0.a21a22a23a(3)=0.a31a32a33\begin{aligned} a(1) &= 0.a_{11}a_{12}a_{13}\cdots \\ a(2) &= 0.a_{21}a_{22}a_{23}\cdots \\ a(3) &= 0.a_{31}a_{32}a_{33}\cdots \end{aligned}

と書き並べて各自然数nnに対して

bn={1ann is even2ann is oddb_n = \begin{cases} 1 \quad a_{nn} \mathrm{\ is\ even} \\ 2 \quad a_{nn} \mathrm{\ is\ odd} \end{cases}

とおいて、b=0.b1b2b3b = 0.b_1b_2b_3 \cdotsとするとa:N(0,1]a \colon \mathbb{N} \to (0, 1]が全射であることからb=a(n)b=a(n)となるnnが存在するはずだが、bbの作り方より全てのnnについてbbは小数第nn位がa(n)a(n)と異なるからa(n)ba(n) \neq b

よって矛盾するのでR\mathbb{R}は加算集合ではない。

Thm. 7.1

すべての集合AAについて、AAの冪集合P(A)\mathfrak{P}(A)からAAへの単射は存在しない。

Thm. 7.2(ベルンシュタイン)

AAからBBへの単射およびBBからAAへの単射がともに存在すればAABBは濃度が等しい。

8. 二項関係

二項関係
集合XXについて直積集合(X,X)(X, X)の各元(a,b)(a, b)について満たすか満たさないかを判定できる規則ρ\rhoが与えられた時rhorhoを集合XX上の二項関係という。(a,b)(a, b)が二項関係ρ\rhoを満たすことをaρba \rho bと書く。
グラフ
直積集合X×XX \times Xの部分集合

G(ρ)={(a,b)X×Xaρb}G(\rho) = \{(a, b) \in X \times X \mid a \rho b\}

を二項関係ρ\rhoのグラフと呼ぶ。

反射律
xρxx \rho xが各元で成り立つときρ\rhoは対称律を満足するという。
対称律
xρyx \rho yならばyρxy \rho x」が成り立つときρ\rhoは対称律を満足するという。
推移律
xρyx \rho yかつyρzy \rho zならばxρzx \rho z」が成り立つときρ\rhoは推移律を満足するという。
反対称律
xρyx \rho yかつyρxy \rho xならばx=yx = y」が成り立つときρ\rhoは反対称律を満足するという。
同値関係
反射律・対称律・推移律を同時に満足する二項関係を同値関係という。
順序関係
反射律・対称律・反対称律を同時に満足する二項関係を順序関係という。
半順序集合
集合XXXX上の順序関係ρ\rhoの組(X,ρ)(X, \rho)を半順序集合という。
包含関係
X=P(E)X = \mathfrak{P}(E)としてG(ρ)={(A,B)X×XAB}G(\rho) = \{(A, B) \in X \times X \mid A \subset B\}という二項関係をP(E)\mathfrak{P}(E)上の包含関係という。
同値類
集合XXに同値関係ρ\rhoが与えられたとき、xXx \in Xに対してXXの部分集合

C(x)={yXxρy}C(x) = \{y \in X \mid x \rho y\}

を元xxの同値類という。

商集合
同値類全体の集合を集合XXの同値関係ρ\rhoによる商集合といい、X/ρX / \rhoと書く。
代表
同値類に属する各元を代表という。(ある同値類に含まれる元を一つ指定すれば同値類は決定するから)
自然な射影
XXの各元xxに商集合X/ρX / \rhoの元C(x)C(x)を対応させる全射をXXからX/ρX / \rhoへの自然な射影という。
写像に付随する同値関係
f:XYf \colon X \to Yを写像として、

G(ρ)={(a,b)X×Xf(a)=f(b)}G(\rho) = \{(a, b) \in X \times X \mid f(a) = f(b) \}

で定まる同値関係を写像ffに付随する同値関係という。

順序を保つ写像
半順序集合(X,)(X, \leq), (X,)(X', \leq')について、写像f:XXf \colon X \to X'が「aba \leq bならf(a)f(b)f(a) \leq' f(b)」を満足するとき、ffは順序を保つ写像であるという。
順序同型
単射f:XXf \colon X \to X'が存在してfff1f^{-1}がともに順序を保つ写像であるとき(X,)(X, \leq)(X,)(X', \leq')は順序同型であるという。ffを順序同型写像という。
最小元
xAx \in AaAa \in Aに対しxax \leq aが成り立つxxAAの最小元といい、x=minAx = \min Aと書く。
最大元
yAy \in AaAa \in Aに対しaya \leq yが成り立つyyAAの最大元といい、y=maxAy = \max Aと書く。
下界
aAa \in Aに対してuau \leq aが成り立つときuuAAの一つの下界という。
上界
aAa \in Aに対してava \leq vが成り立つときvvAAの一つの下界という。
下限
AAの下界の集合が最大元を持つとき、その最大元をAAの下限といい、infA\inf Aと書く。
上限
AAの上界の集合が最小元を持つとき、その最小元をAAの上限といいsupA\sup Aと書く。
全順序集合
半順序集合(X,)(X, \leq)が任意のa,bXa, b \in Xについてaba \leq bまたはbab \leq aのどちらかが常に成り立つ場合全順序集合であるという。
すべての二元集合に対して常に上限と下限が存在する半順序集合を束という。
完備束
すべての空でない部分集合に対して常に上限と下限が存在する半順序集合を完備束という。

9. 整列集合

整列集合
半順序集合(X,)(X, \leq)XXの空でない部分集合が常に最小元を持つとき、整列集合であるという。
切片
半順序集合(X,)(X, \leq)においてaba \leq bかつaba \neq bであることをa<ba < bで表す。(X,)(X, \leq)が整列集合であるときXXの元aaに対してXa={xXx<a}X\langle a \rangle = \{x \in X \mid x < a\}を元aaによる切片という。

Thm. 9.1

(X,)(X, \leq)が整列集合でφ:XX\varphi \colon X \to Xが順序を保つ単射であればXXの元xxについて常にxφ(x)x \leq \varphi(x)が成り立つ。

証明: A={xXφ(x)<x}A = \{x \in X \mid \varphi(x) < x\}の最小元aaについてφ(x)<a\varphi(x) < aよりφ(φ(a))<φ(a)\varphi(\varphi(a)) < \varphi(a)となるので、aaの最小性に矛盾。よってAAは空集合となり、主張が成立。

Thm. 9.2

(X,)(X, \leq)および(Y,)(Y, \leq)を整列集合とする。XXの部分集合X1X_1X1={aXbY,XaYb}X_1 = \{a \in X \mid \exists b \in Y, X\langle a \rangle \simeq Y \langle b \rangle\}と定義すると、X1X_1XX自身またはXXのある切片と一致する。

Thm. 9.3

2つの整列集合(X,)(X, \leq)および(Y,)(Y, \leq)について

  1. XXYYが順序同型であるか
  2. XXYYのある切片と順序同型であるか
  3. YYXXのある切片と順序同型であるか

の3つのうちいずれかただ一つが必ず成り立つ。

Thm. 9.4 (超限帰納法)

(A,)(A, \leq)を整列集合とし、AAの各元aaについてある命題P(a)P(a)が与えられているものとする。もし

  1. P(minA)P(\min A)が真であること
  2. AAの各元aaについてすべてのbAab \in A \langle a \rangleについてP(b)P(b)が真であればP(a)P(a)も真であること

が示されるならばAAの全ての元aaについて命題P(a)P(a)は真である。

証明: A1={aAP(a) is not true}A_1 = \{ a \in A \mid P(a) \mathrm{\ is\ not\ true} \}の最小元をa1a_1とおくと、1.よりa1minAa_1 \neq \min AaAa1a \in A \langle a_1 \rangleに対してP(a)P(a)は真。2.よりP(a1)P(a_1)も真になって矛盾。よってA1A_1は空集合。

10. 選択公理

直積
集合系(AλλΛ)(A_\lambda \mid \lambda \in \Lambda)が与えられたとき、Λ\Lambdaから和集合(AλλΛ)\bigcup (A_\lambda \mid \lambda \in \Lambda)への関数ffのうちでΛ\Lambdaのどの元λ\lambdaに対してもf(λ)=fλ=Aλf(\lambda) = f_\lambda = A_\lambdaとなるようなもの全体を集合系(AλλΛ)(A_\lambda \mid \lambda \in \Lambda)の直積といい、λΛAλ\prod_{\lambda \in \Lambda} A_\lambdaであらわす。
直積因子
AλA_\lambdaを直積因子という。

Λ={1,2,,n}\Lambda = \{1, 2, \cdots, n\}とすれば4章で定義した直積と同じ。

選択公理
「集合系(AλλΛ)(A_\lambda \mid \lambda \in \Lambda)においてどのAλA_\lambdaも空でなければその直積λΛAλ\prod_{\lambda \in \Lambda}A_\lambdaも空ではない」を選択公理という。
選択関数
直積λΛAλ\prod_{\lambda \in \Lambda}A_\lambdaの元を選択関数という。

A=λΛAλA = \prod_{\lambda \in \Lambda}A_\lambdaとし、λΛ\lambda \in \Lambdaを一つ固定する。

λ\lambda-成分
AAの元ffλ\lambdaにおいてとる値f(λ)Aλf(\lambda) \in A_\lambdaffλ\lambda-成分という。
射影
AAの各元fff(λ)f(\lambda)を対応させて得られる写像をAAからAλA_\lambdaへの射影といい、pλ:AAλp_\lambda\colon A \to A_\lambdaで表す。
帰納的
半順序集合(X,)(X, \leq)は、すべての全順序部分集合が上界をもつとき帰納的であるという。
極大元
半順序集合(X,)(X, \leq)において元aXa \in Xが極大元であるとは、axa \leq xかつaxa \neq xなる元xXx \in Xが存在しないことである。

Thm. 10.1(ツォルンの補題)

帰納的半順序集合は少なくとも一つの極大元を持つ。

11. 整列可能定理

Thm. 11.1(整列可能定理)

任意の集合はその上にある順序を定義して整列集合にすることができる。

12. ユークリッド空間

距離
Rn\mathbb{R}^nの2つの元x=(x1,x2,,xn)x = (x_1, x_2, \cdots, x_n), (y1,y2,,yn)(y_1, y_2, \cdots, y_n)に対してその距離d(n)d^{(n)}d(n)(x,y)=(x1y1)2+(x2y2)2++(xnyn)2d^{(n)}(x, y) = \sqrt{(x_1-y_1)^2 + (x_2-y_2)^2 + \cdots + (x_n-y_n)^2}で定義する。
nn次元ユークリッド空間
集合Rn\mathbb{R}^nに距離d(n)d^{(n)}を導入したとき(Rn,d(n)(\mathbb{R}^n, d^{(n)}または単にRn\mathbb{R}^nnn次元ユークリッド空間と呼ぶ。
Rn\mathbb{R}^nの元をnn次元ユークリッド空間の点という。
三角不等式
d(n)(x,z)d(n)(x,y)+d(n)(y,z)d^{(n)}(x, z) \leq d^{(n)} (x, y) + d^{(n)}(y, z)が成り立ち、これを三角不等式と呼ぶ。証明はシュワルツの不等式から。
開球体
Rn\mathbb{R}^nの点aaと正の実数ε\varepsilonに対してRn\mathbb{R}^nの部分集合{xRnd(n)(a,x)<ε}\{x \in \mathbb{R}^n \mid d^{(n)}(a, x) < \varepsilon\}aa中心としε\varepsilon半径とする開球体といいBn(a;ε)B_n(a; \varepsilon)で表す。
内点
MMRn\mathbb{R}^nの部分集合とする。Rn\mathbb{R}^nの点aaについてBn(a;ε)MB_n(a; \varepsilon) \subset Mとなる正の実数ε\varepsilonが存在するときaaMMの内点という。
内部
MMの内点全体の集合をMMの内部といいMiM^iで表す。
外点
MMRn\mathbb{R}^nに関する補集合McM^cの内点をMMの外点という。
すなわち、Rn\mathbb{R}^nの点aaについてBn(a;ε)M=B_n(a; \varepsilon) \cap M = \emptysetとなる正の実数が存在するときaaMMの外点という。
外部
MMの外点全体の集合をMMの外部といいMeM^eで表す。
境界点
Rn\mathbb{R}^nの点でMMの内点でも外点でもない点をMMの境界点という。
境界
MMの境界点全体の集合R(MiMe)\mathbb{R} - (M^i \cup M^e)MMの境界といいMfM^fで表す。
球面
集合{xRnd(n)(a,x)=ε}\{x \in \mathbb{R}^n \mid d^{(n)}(a, x) = \varepsilon\}aaを中心としε\varepsilonを半径とする球面といいSn(a;ε)S_n(a; \varepsilon)で表す。
触点
Rn\mathbb{R}^nの点aaについてどんな正の実数ε\varepsilonに対してもBn(a;ε)MB_n(a; \varepsilon) \cap M \neq \emptysetが成り立つときaaMMの触点という。
閉包
MMの触点全体の集合をMMの閉包といいM\overline{M}またはMaM^aで表す。
開集合
R\mathbb{R}の部分集合MMについてM=MiM = M^iとなるときMMnn次元ユークリッド空間Rn\mathbb{R}^nの開集合という。
閉集合
M=MM = \overline{M}となるときMMを開集合という。

Thm. 12.1

nn次元ユークリッド空間Rn\mathbb{R}^nにおいて閉集合の補集合は閉集合であり、また閉集合の補集合は開集合。

開集合系
Rn\mathbb{R}^nの開集合全体の集合をRn\mathbb{R}^nの開集合系といいO(Rn)\mathscr{O}(\mathbb{R}^n)で表す。

Thm. 12.2

Rn\mathbb{R}^nの開集合系O=O(Rn)\mathscr{O} = \mathscr{O}(\mathbb{R}^n)は以下を満足する。

  1. RnO,O\mathbb{R}^n \in \mathscr{O}, \quad \emptyset \in \mathscr{O}
  2. O1,O2,,OkOO_1, O_2, \cdots, O_k \in \mathscr{O}ならばO1O2OkOO_1 \cap O_2 \cap O_k \in \mathscr{O}
  3. (OλλΛ)(O_{\lambda} \mid \lambda \in \Lambda)O\mathscr{O}の元からなる集合系とすればλΛOλO\bigcup_{\lambda \in \Lambda} O_{\lambda} \in \mathscr{O}

Rn\mathbb{R}^nの閉集合系U\mathscr{U}は以下を満足する。

  1. RnU,U\mathbb{R}^n \in \mathscr{U}, \quad \emptyset \in \mathscr{U}
  2. A1,A2,,AkUA_1, A_2, \cdots, A_k \in \mathscr{U}ならばA1A2AkUA_1 \cup A_2 \cup A_k \in \mathscr{U}
  3. (AλλΛ)(A_{\lambda} \mid \lambda \in \Lambda)U\mathscr{U}の元からなる集合系とすればλΛAλU\bigcap_{\lambda \in \Lambda} A_{\lambda} \in \mathscr{U}

13. 距離空間

距離関数
XXを空でない集合とする。直積集合X×XX \times X上の実数値関数d:X×XRd \colon X \times X \to \mathbb{R}が次の条件を満足するものとする。

このとき関数ddを集合XX上の距離関数という。

距離空間
ddXX上の距離関数であるとき(X,d)(X, d)またはXXを距離空間という。
XXの元を点という。
三角不等式
D3の不等式を三角不等式という。
ヒルベルト空間
実数列x=(xnnN)x = (x_n \mid n \in \mathbb{N})n=1xn2<\sum_{n=1}^{\infty} x_n^2 < \inftyとなるもの全体をl2l^2で表す。l2l^2の2元x=(xnnN)x = (x_n \mid n \in \mathbb{N}), y=(ynnN)y = (y_n \mid n \in \mathbb{N})に対して関数ddd(x,y)=n=1(xnyn)2d_{\infty}(x, y) = \sqrt{\sum_{n=1}^{\infty}(x_n - y_n)^2}l2l^2上の距離関数になる。(l2,d)(l^2, d_\infty)をヒルベルト空間という

以下では、ユークリッド空間上での概念を距離空間に拡張する。(X,d)(X, d)を距離空間とする。

ε\varepsilon-近傍
XXの点aaと正の実数ε\varepsilonに対してXXの部分集合{xXd(a,x)<ε}\{x \in X \mid d(a, x) <\varepsilon\}を点aaε\varepsilon-近傍といいN(a;ε)N(a; \varepsilon)で表す。
内点
XXの点aaについてN(a;ε)AN(a; \varepsilon) \subset Aとなる正の実数ε\varepsilonが存在するときaaAAの内点という。
内部
AAの内点全体の集合をAAの内部といいAiA^iで表す。
外点
XXの点aaについてN(a;ε)A=N(a; \varepsilon) \cap A = \emptysetとなる正の実数ε\varepsilonが存在するときaaAAの外点という。
外部
AAの外点全体の集合をAAの外部といいAeA^eで表す。
境界点
どんな正の実数ε\varepsilonに対してもN(a;ε)AN(a; \varepsilon) \cap A \neq \emptyset, N(a;ε)AcN(a; \varepsilon) \cap A^c \neq \emptysetが成り立つときaaAAの境界点という。
境界
AAの境界点全体の集合をAAの境界といい、AfA^fで表す。

AAXXの部分集合とする。

触点
xXx \in Xについてどんな正の実数ε\varepsilonに対してもN(x;ε)AN(x; \varepsilon) \cap A \neq \emptysetが成り立つときxxAAの触点という。
閉包
AAの触点全体の集合をAAの閉包といい、A\overline{A}またはAaA^aで表す。
開集合
A=AiA=A^iとなるときAAを距離空間(X,d)(X, d)の開集合という。
閉集合
A=AA=\overline{A}となるときAAを距離空間(X,d)(X, d)の閉集合という。

Thm. 13.1

XXの部分集合AAについて(Ai)i=Ai(A^i)^i=A^iおよび(Aa)a=Aa(A^a)^a=A^aが常に成り立つ。

開集合系
開集合全体の集合を開集合系といい、Thm 12.2と同じ性質が成り立つ。
閉集合系
閉集合全体の集合を閉集合系といい、Thm 12.2と同じ性質が成り立つ。
集積点
XXの点xxが集合A{x}A-\{x\}の触点であるときxxAAの集積点という。
導集合
AAの集積点全体の集合をAAの導集合といいAdA^dで表す。
孤立点
AAdA-A^dの点をAAの孤立点という。定義から明らかなようにA=AAd\overline{A}=A \cup A^dが成り立つ。

Thm. 13.2

XXの部分集合AAについて(Ad)dAd(A^d)^d \subset A^dが常に成り立つ。

距離
AA \neq \emptysetとする。XXの点xxに対して点xxと集合AAの距離をd(x,A)=inf{d(x,a)aA}d(x, A) = \inf\{d(x, a) \mid a \in A\}と定義する。

Thm. 13.3

XAX \supset A \neq \emptysetx,yXx, y \in Xに対して

  1. d(x,A)d(y,A)d(x,y)|d(x, A)-d(y, A)| \leq d(x, y)
  2. xxAAの触点 \Leftrightarrow d(x,A)=0d(x, A)=0
  3. xxAAの内点 \Leftrightarrow d(x,Ac)>0d(x, A^c) > 0

Q. 13.8

A,BXA, B \subset Xのとき

14. 近傍系と連続写像

(X,d)(X, d)を距離空間とする。

近傍
XXの部分集合UUXXの点aaの近傍であるとは、aaUUの内点となることである。
近傍系
aaの近傍全体の集合を点aaの近傍系といいN(a)\mathfrak{N}(a)で表す。

Thm. 14.1

(X,d)(X, d)を距離空間とする。近傍系は次の条件を満足する。

  1. aXa \in XならばXN(a)X \in \mathfrak{N}(a)であり、UN(a)U \in \mathfrak{N}(a)ならばaUa \in Uである。
  2. U1,U2N(a)U_1, U_2 \in \mathfrak{N}(a)ならばU1U2N(a)U_1 \cap U_2 \in \mathfrak{N}(a)である。
  3. UN(a)U \in \mathfrak{N}(a)かつUVXU \subset V \subset Xならば、VN(a)V \in \mathfrak{N}(a)である。
  4. どんなUN(a)U \in \mathfrak{N}(a)に対しても,、あるVN(a)V \in \mathfrak{N}(a)を選んで、各点bVb \in Vに対してUN(b)U \in \mathfrak{N}(b)となるようにできる。

(X1,d1)(X_1, d_1), (X2,d2)(X_2, d_2)を距離空間とする。

連続
写像f:X1X2f \colon X_1 \to X_2X1X_1の点xxで連続であるとは、どんな正の実数ε\varepsilonに対してもある正の実数δ\deltaを選んでd1(x,y)<δd_1(x, y) < \deltaなるX1X_1の点に対して常にd2(f(x),f(y))<εd_2(f(x), f(y)) < \varepsilonが成り立つようにできること。
言い換えると、どんな正の実数ε\varepsilonに対しても(X2,d2)(X_2, d_2)における点f(x)f(x)ε\varepsilon-近傍のffによる逆像f1(N(f(x);ε))f^{-1}(N(f(x); \varepsilon))(X1,d1)(X_1, d_1)において点xxの近傍となるとき写像ffX1X_1の点xxで連続であるという。

Thm. 14.2

(X1,d1)(X_1, d_1)および(X2,d2)(X_2, d_2)を距離空間とする。写像f:X1X2f \colon X_1 \to X_2について次の4つの条件は互いに同等。

  1. ffX1X_1の各点で連続
  2. (X2,d2)(X_2, d_2)の開集合OOに対してffによる逆像f1(O)f^{-1}(O)は常に(X1,d1)(X_1, d_1)の開集合
  3. (X2,d2)(X_2, d_2)の開集合FFに対してffによる逆像f1(F)f^{-1}(F)は常に(X1,d2)(X_1, d_2)の閉集合
  4. X1X_1の部分集合AAについてf(A)f(A)f(\overline{A}) \subset \overline{f(A)}が常に成立
連続写像
写像f:X1X2f \colon X_1 \to X_2が連続であるとき、ffを距離空間(X1,d1)(X_1, d_1)から距離空間(X2,d2)(X_2, d_2)への連続写像という。
距離
距離空間XXの空でない部分集合AA, BBに対して集合AA, BBの距離をd(A,B)=inf{d(a,b)aA, bB}d(A, B) = \inf\{d(a, b) \mid a \in A,\ b \in B\}と定義する。

15. 位相

位相
XXを空でない集合とする。XXの部分集合の族O\mathscr{O}が次の条件を満足するときO\mathscr{O}は集合XXの位相であるという。
  1. XOX \in \mathscr{O}, O\emptyset \in \mathscr{O}
  2. O1,O2,,OkOO_1, O_2, \cdots, O_k \in \mathscr{O}ならばO1O2OkOO_1 \cap O_2 \cap \cdots \cap O_k \in \mathscr{O}
  3. (OλλΛ)(O_\lambda \mid \lambda \in \Lambda)O\mathscr{O}の元からなる集合系とすればλΛOλO\bigcup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda \in \mathscr{O}
位相空間
位相O\mathscr{O}を与えられた集合XXを位相空間といい(X,O)(X, \mathscr{O})であらわす。
開集合
O\mathscr{O}に属するXXの部分集合を位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の開集合(厳密にはO\mathscr{O}-開集合)という。
集合XXの元を位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の点という。
離散位相
O=P(X)\mathscr{O} = \mathfrak{P}(X)によって与えられる位相を離散位相といい、(X,P(X))(X, \mathfrak{P}(X))を離散空間$という
密着位相
O={X,}\mathscr{O} = \{X, \emptyset\}で与えられる位相を密着位相といい、これによって定まる位相空間を密着空間という。
距離位相
距離空間(X,d)(X, d)の開集合はXXの一つの位相で、この位相をddによって定まる距離位相という。
距離化可能
集合XX上の位相O\mathscr{O}が一つの距離位相に一致するとき、この位相O\mathscr{O}は距離化可能であるという。
相対位相
(X,O)(X, \mathscr{O})を位相空間としAAXXの空でない部分集合とする。OA={AUUO}\mathscr{O}_A = \{A \cap U \mid U \in \mathscr{O}\}は集合AAの一つの位相となる。この位相を集合AAの上のO\mathscr{O}に関する相対位相という。位相空間(A,OA)(A, \mathscr{O}_A)を位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の部分空間という。
閉集合
集合XXの部分集合FFはその補集合FcF^cO\mathscr{O}に属すとき位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の閉集合(厳密にはO\mathscr{O}-補集合)であるという。
内部・開核
(X,O)(X, \mathscr{O})を位相空間とし、AAXXの部分集合とする。AAに包まれるような開集合全体の和集合をAiA^iで表せばAiA^i自身もO\mathscr{O}に属すからAiA^iAAに包まれる最大の開集合である。AiA^iAAの内部または開核という。
内点
AiA^iの点をAAの内点という。
開核作用子
XXの各部分集合AAにその内部AiA^iを対応させることによってXXの冪集合P(X)\mathfrak{P}(X)からP(X)\mathfrak{P}(X)への一つの写像が定まる。この写像を位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の開核作用子という。

Thm. 15.1

位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の開核作用子は次の性質をもつ。

  1. Xi=XX^i = X
  2. AiAA^i \subset A
  3. (AB)i=AiBi(A \cap B) ^i = A^i \cap B^i
  4. (Ai)i=Ai(A^i)^i = A^i
閉包
(X,O)(X, \mathscr{O})を位相空間とし、AXA \subset Xとする。AAを包むような閉集合全体の共通部分をA\overline{A}またはAaA^aで表す。A\overline{A}AAを包む最小の閉集合で、A\overline{A}AAの閉包という。
触点
A\overline{A}の点をAAの触点という。
閉包作用子
XXの各部分集合AAにその閉包AaA^aを対応させることによってXXの冪集合P(X)\mathfrak{P}(X)からP(X)\mathfrak{P}(X)への一つの写像が定まる。この写像を位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の閉包作用子という。

Thm. 15.2

位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の開核作用子は次の性質をもつ。

  1. a=\emptyset^a = \emptyset
  2. AAaA \subset A^a
  3. (AB)a=AaBa(A \cup B) ^a = A^a \cup B^a
  4. (Aa)a=Aa(A^a)^a = A^a

Thm. 15.3

XXを空でない集合とし、写像k:P(X)P(X)k \colon \mathfrak{P}(X) \to \mathfrak{P}(X)が次の条件(クラトウスキイの公理系)を満足しているものとする。

  1. k()=k(\emptyset) = \emptyset
  2. Ak(A)A \subset k(A)が各AP(X)A \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。
  3. k(AB)=k(A)k(B)k(A \cup B) = k(A) \cup k(B)が各A,BP(X)A, B \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。
  4. k(k(A))=k(A)k(k(A)) = k(A)が各AP(X)A \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。

このとき、集合XXの位相O\mathscr{O}で写像kkが位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の閉包作用子に一致するものがただ一つ存在する。

Q. 15.6

XXを空でない集合とし、写像i:P(X)P(X)i\colon \mathfrak{P}(X) \to \mathfrak{P}(X)が次の条件を満足しているものとする。

  1. i()=i(\emptyset) = \emptyset
  2. Ai(A)A \subset i(A)が各AP(X)A \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。
  3. i(AB)=i(A)i(B)i(A \cap B) = i(A) \cup i(B)が各A,BP(X)A, B \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。
  4. i(k(A))=i(A)i(k(A)) = i(A)が各AP(X)A \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。

このとき、集合XXの位相O\mathscr{O}で写像kkが位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の開核作用子に一致するものがただ一つ存在する。

外部
(X,O)(X, \mathscr{O})を位相空間とし、AAXXの部分集合とする。AAの補集合の内部(Ac)i(A^c)^iAAの外部といい、AeA^eで表す。
外点
AeA^eの点をAAの外点という。
境界点
AAの内点でも外点でもないXXの点をAAの境界点という。
境界
AAの境界点全体の集合をAAの境界といい、AfA^fで表す。
集積点
XXの点xxA{x}A-\{x\}の触点であるとき、xxAAの集積点という。
導集合
AAの集積点全体の集合をAAの導集合といいAdA^dで表す。
孤立点
AAdA-A^dの点をAAの孤立点という。

15. 位相

位相
XXを空でない集合とする。XXの部分集合の族O\mathscr{O}が次の条件を満足するときO\mathscr{O}は集合XXの位相であるという。
  1. XOX \in \mathscr{O}, O\emptyset \in \mathscr{O}
  2. O1,O2,,OkOO_1, O_2, \cdots, O_k \in \mathscr{O}ならばO1O2OkOO_1 \cap O_2 \cap \cdots \cap O_k \in \mathscr{O}
  3. (OλλΛ)(O_\lambda \mid \lambda \in \Lambda)O\mathscr{O}の元からなる集合系とすればλΛOλO\bigcup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda \in \mathscr{O}
位相空間
位相O\mathscr{O}を与えられた集合XXを位相空間といい(X,O)(X, \mathscr{O})であらわす。
開集合
O\mathscr{O}に属するXXの部分集合を位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の開集合(厳密にはO\mathscr{O}-開集合)という。
集合XXの元を位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の点という。
離散位相
O=P(X)\mathscr{O} = \mathfrak{P}(X)によって与えられる位相を離散位相といい、(X,P(X))(X, \mathfrak{P}(X))を離散空間$という
密着位相
O={X,}\mathscr{O} = \{X, \emptyset\}で与えられる位相を密着位相といい、これによって定まる位相空間を密着空間という。
通常の位相
Rn\mathbb{R}^nの開集合系はRn\mathbb{R}^nの一つの位相である。この位相をRn\mathbb{R}^nの通常の位相と呼ぶ。
距離位相
距離空間(X,d)(X, d)の開集合はXXの一つの位相で、この位相をddによって定まる距離位相という。
距離化可能
集合XX上の位相O\mathscr{O}が一つの距離位相に一致するとき、この位相O\mathscr{O}は距離化可能であるという。
相対位相
(X,O)(X, \mathscr{O})を位相空間としAAXXの空でない部分集合とする。OA={AUUO}\mathscr{O}_A = \{A \cap U \mid U \in \mathscr{O}\}は集合AAの一つの位相となる。この位相を集合AAの上のO\mathscr{O}に関する相対位相という。位相空間(A,OA)(A, \mathscr{O}_A)を位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の部分空間という。
閉集合
集合XXの部分集合FFはその補集合FcF^cO\mathscr{O}に属すとき位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の閉集合(厳密にはO\mathscr{O}-補集合)であるという。
内部・開核
(X,O)(X, \mathscr{O})を位相空間とし、AAXXの部分集合とする。AAに包まれるような開集合全体の和集合をAiA^iで表せばAiA^i自身もO\mathscr{O}に属すからAiA^iAAに包まれる最大の開集合である。AiA^iAAの内部または開核という。
内点
AiA^iの点をAAの内点という。
開核作用子
XXの各部分集合AAにその内部AiA^iを対応させることによってXXの冪集合P(X)\mathfrak{P}(X)からP(X)\mathfrak{P}(X)への一つの写像が定まる。この写像を位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の開核作用子という。

Thm. 15.1

位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の開核作用子は次の性質をもつ。

  1. Xi=XX^i = X
  2. AiAA^i \subset A
  3. (AB)i=AiBi(A \cap B) ^i = A^i \cap B^i
  4. (Ai)i=Ai(A^i)^i = A^i
閉包
(X,O)(X, \mathscr{O})を位相空間とし、AXA \subset Xとする。AAを包むような閉集合全体の共通部分をA\overline{A}またはAaA^aで表す。A\overline{A}AAを包む最小の閉集合で、A\overline{A}AAの閉包という。
触点
A\overline{A}の点をAAの触点という。
閉包作用子
XXの各部分集合AAにその閉包AaA^aを対応させることによってXXの冪集合P(X)\mathfrak{P}(X)からP(X)\mathfrak{P}(X)への一つの写像が定まる。この写像を位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の閉包作用子という。

Thm. 15.2

位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の開核作用子は次の性質をもつ。

  1. a=\emptyset^a = \emptyset
  2. AAaA \subset A^a
  3. (AB)a=AaBa(A \cup B) ^a = A^a \cup B^a
  4. (Aa)a=Aa(A^a)^a = A^a

Thm. 15.3

XXを空でない集合とし、写像k:P(X)P(X)k \colon \mathfrak{P}(X) \to \mathfrak{P}(X)が次の条件(クラトウスキイの公理系)を満足しているものとする。

  1. k()=k(\emptyset) = \emptyset
  2. Ak(A)A \subset k(A)が各AP(X)A \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。
  3. k(AB)=k(A)k(B)k(A \cup B) = k(A) \cup k(B)が各A,BP(X)A, B \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。
  4. k(k(A))=k(A)k(k(A)) = k(A)が各AP(X)A \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。

このとき、集合XXの位相O\mathscr{O}で写像kkが位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の閉包作用子に一致するものがただ一つ存在する。

Q. 15.6

XXを空でない集合とし、写像i:P(X)P(X)i\colon \mathfrak{P}(X) \to \mathfrak{P}(X)が次の条件を満足しているものとする。

  1. i()=i(\emptyset) = \emptyset
  2. Ai(A)A \subset i(A)が各AP(X)A \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。
  3. i(AB)=i(A)i(B)i(A \cap B) = i(A) \cup i(B)が各A,BP(X)A, B \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。
  4. i(k(A))=i(A)i(k(A)) = i(A)が各AP(X)A \in \mathfrak{P}(X)に対して成り立つ。

このとき、集合XXの位相O\mathscr{O}で写像kkが位相空間(X,O)(X, \mathscr{O})の開核作用子に一致するものがただ一つ存在する。

外部
(X,O)(X, \mathscr{O})を位相空間とし、AAXXの部分集合とする。AAの補集合の内部(Ac)i(A^c)^i