確率論(伊藤 清)

最終更新: 2017-02-27 11:14

確率論(伊藤 清)

第2章 確率測度

試行の見本空間をΩ\Omega、確率法則をPPとする。

σ\sigma加法族 (p. 41)
以下の3条件を満たす集合族をΩ\Omegaの上のσ\sigma加法族という。
確率測度 (p. 42)
以下の3条件を満たす集合関数を確率測度という。
PP可測集合 (p. 42)
D(P)\mathscr{D}(P)に属する集合をPP可測集合という。
確率空間 (p. 42)
空間Ω\Omegaに確率測度PPをそえたもの。
生成されるσ\sigma加法族
A\mathscr{A}SSの任意の部分集合族とするとき、A\mathscr{A}を含むすべてのσ\sigma加法族のうちで最小のものをA\mathscr{A}で生成されるσ\sigma加法族といい、σ[A]\sigma[\mathscr{A}]であらわす。
可測写像 (p. 47)
ffS1S_1からS2S_2の中への写像とし、B1,B2\mathscr{B}_1, \mathscr{B}_2をそれぞれS1,S2S_1, S_2上のσ\sigma加法族とする。

EB2f1(E)B1E \in \mathscr{B}_2 \Rightarrow f^{-1}(E) \in \mathscr{B}_1

のときffは可測B1/B2\mathscr{B}_1/\mathscr{B}_2といい、fB1/B2f \in \mathscr{B}_1/\mathscr{B}_2とかく。

Borel集合族 (p.47)
SSを位相空間とするとき、SSの開集合族で生成されるσ\sigma加法族をSSのBorel集合族といい、B(S)\mathscr{B}(S)であらわす。
Borel集合 (p. 47)
B(S)\mathscr{B}(S)の元をSSのBorel集合という。
Borel可測写像 (p. 48)
S1,S2S_1, S_2が位相空間でS1S_1からS2S_2の中への写像ffが可測B(S1)/B(S2)\mathscr{B}(S_1)/\mathscr{B}(S_2)のときffをBorel可測写像またはBorel写像という。
PP可測 (p. 48)
PPS1S_1上の確率測度、S2S_2を位相空間、ffS1S_1からS2S_2への写像とする。fD(P)/B(S2)f \in \mathscr{D}(P)/\mathscr{B}(S_2)のとき、ffPP可測または単に可測という。
PP零集合 (p. 49)
P(N)=0P(N)=0となるPP可測集合を(PP)零集合という。
完備確率測度 (p. 49)
PP零集合の部分集合がすべてPP可測であるときPPを完備確率測度という。
Lebesgue拡大 (p.49)
最小の完備拡張(必ず存在する)
Borel確率測度 (p. 51)
位相空間の上の確率測度で、その定義域がBorel集合族と一致するものをBorel確率測度という。
正則確率測度 (p.51)
Borel確率測度のLebesgue拡大を正則確率測度という。
標準 (p. 67)
PPΩ\Omegaの上の完備確率測度とする。(Ω,P)(\Omega, P)(R1,μ)(R^1, \mu)μ\muR1R^1の上の正則確率測度)に同型であるとき(Ω,P)(\Omega, P)を標準確率空間、PPΩ\Omegaの上の標準確率測度という。
像測度 (p. 70)
S,TS, Tを一般の集合とし、PPSSの上の確率測度、f:STf: S \to Tを任意の写像とする。このときTTの上に集合関数QQ
D(Q)={BTf1(B)D(P)},Q(B)=P(f1(B))\mathscr{D}(Q) = \{B \subset T \mid f^{-1}(B) \in \mathscr{D}(P)\}, \quad Q(B) = P(f^{-1}(B))
で定義する。QはTTの上の確率測度で、PPffによる像測度といい、Pf1Pf^{-1}またはfPfPであらわす。

第3章 確率論の基礎概念

3.1 可分完全確率測度

μ\muSSの上の完備確率測度とする。

完全 (p. 119)
任意のμ\mu可測写像f:SR1f: S\to R^1に対し、像測度μf1\mu f^{-1}が正則となるときμ\muを完全であるという。
分離族 (p.119)
任意のs1,s2S(s1s2)s_1, s_2 \in S (s_1 \neq s_2)に対しAAA \in \mathscr{A}が存在して1A(s1)1A(s2)1_A(s_1) \neq 1_A(s_2)となるとき集合族A\mathscr{A}を分離族という。
可分 (p.120)
D(μ)\mathscr{D}(\mu)が可算分離族を含むときμ\muを可分という。

Thm. 3.2(完全性が像測度に遺伝すること)

μ\muSSの上の完全確率測度、f: STf:\ S \to Tとすると、ν=μf1\nu = \mu f^{-1}TTの上の完全確率測度である。

例題3.1(iii)

μ\muSSの上の完全確率測度、TTが位相空間で、B(T)\mathscr{B}(T)が可算族で生成され、写像f: STf:\ S \to Tμ\mu可測ならば、ν=μf1\nu=\mu f^{-1}TTの上の可分・完全・正則な確率測度である。

3.2 事象と確率変数

(Ω,P)(\Omega, P)を可分完全確率空間とする。

外延 (p. 123)
ωΩ\omega \in \Omegaの条件α\alphaについて、{ωΩα(ω)}\{\omega \in \Omega \mid \alpha(\omega)\}のことをα\alphaの外延といい、{α}\{\alpha\}と書く。
事象 (p. 123)
{α}\{\alpha\}PP可測のときα\alphaを事象という。
確率 (p. 123)
P{α}P\{\alpha\}α\alphaの起こる確率という。
ほとんど確実
P{α}P\{\alpha\}のときα\alphaがほとんど確実に起こるという。
和事象・交事象・余事象
事象の演算αβ\alpha \lor \betaαβ\alpha \land \betaα\overline{\alpha}のこと。